シータの庭

創造主と天使から聞いた異世界やこの世のあれこれ。そして気学と方位の研究について。

バイオリンの夢

ある晩、私はバイオリン奏者になる夢を見ました。

 

 

演奏会では素晴らしい指揮者と、オーケストラのメンバーがいます。

 

 

沢山の観客が豪華な演奏会を愉しんでいます。

 

 

私はバイオリン奏者でしたが

 

 

上手く弾くことができません。

 

 

私のバイオリンの弦はギギギと鈍い音をいくつか出すだけでした。

 

 

その音は周りの演奏者の美しい演奏でかき消され

 

 

私は何一つ奏でることはできませんでしたが

 

 

それに気がつく観客もいませんでした。

 

 

そこで目が覚めました。

 

 

カーテンから漏れる光から朝の気配が感じられましたが

 

 

私は、マイケルにこう言いました。

 

 

「さっきの夢を、もう一度、バイオリンが弾けるようになるまで見たいの」

 

 

そしてふたたび、眠りにつきました。

 

 

わたしは、もう一度バイオリン奏者となる夢を見ました。

 

 

今度は上手く弾けました。

 

 

オーケストラではなく、ソロコンサートのようです。

 

 

いつかテレビで見た、かの演奏者のように、バイオリンは私の腕の中で歌いました。

 

 

でも、あまり楽しくありません。

 

 

私はいつしか、バイオリンになっていました。

 

 

私は生まれつきの芸術家である友人を思い出しました。

 

 

彼女なら、どんな風に奏でるだろう。

 

 

きっと、上手く弾こうだなんてしない。

 

 

私は演奏家の手を離れ

 

 

友人のアトリエで静かに佇みます。

 

 

マイケルの声が聞こえます。

 


「君がバイオリンなら

 

 

僕は楽譜になろうか

 


いや、僕は時間になり

 

 

君を待たせ

 

 

君を苛立たせる

 


そして君を

 

 

優しく

 

 

包み込む」

 

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